パウンドケーキやマフィン、蒸しパンを作る際、ベーキングパウダーは欠かせない材料の一つです。ただ、その使用量は小さじ半分や数グラムと、とても少ないですよね。そこで「少しくらい多めに入れても問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、結論から言うと、ベーキングパウダーを多く入れすぎると良い結果にはなりません。この記事では、ベーキングパウダーを過剰に使った場合の影響や、万が一入れすぎてしまった時の対処法について解説します。
ベーキングパウダーを入れすぎるとどうなる?
1. 味が悪くなる
ベーキングパウダーには重曹が含まれており、生地を膨らませる際に炭酸ガスを発生させますが、重曹には独特の苦味があります。多く入れすぎると水分との反応が不十分になり、この苦味が生地に残ってしまいます。そのため、お菓子が苦く感じられることがあるのです。
2. 生地がうまく膨らまない
「多く入れればその分、よく膨らむのでは?」と思うかもしれませんが、実は逆効果です。ベーキングパウダーを入れすぎると、生地が膨らみすぎて途中でしぼんだり、内部に大きな空洞ができてしまいます。さらに、型からあふれたり、形が崩れたりすることもあるため、見た目にも影響が出ます。
3. 食感がパサつく
ベーキングパウダーは水分と反応してガスを発生させますが、過剰に入れると反応に必要な水分が多く使われてしまい、結果として生地がパサパサになります。本来期待していたしっとり感が失われ、乾燥した食感になってしまうのです。
ベーキングパウダーを入れすぎた時の対処法
ベーキングパウダーを入れすぎてしまった場合、材料を混ぜる前なら取り除くことが簡単ですが、混ぜてしまった後では除去するのが難しくなり、捨ててしまうのはもったいないですよね。そこで今回は、ベーキングパウダーを入れすぎてしまった時の対応策をご紹介します。
材料の割合を調整する
もし、他の材料に余裕があるなら、ベーキングパウダー以外の材料も追加して全体のバランスを保ちましょう。これにより、予定より多くの量ができてしまうものの、材料を無駄にせずに済みます。お菓子作りでは、材料の割合が整っていれば、大きな失敗を避けることができます。きっちり計量し、レシピ通りに作ることが重要です。
材料を計ってから混ぜることの大切さ
お菓子作りにはさまざまな材料を準備する必要があるため、計りながら混ぜることが手軽に感じられるかもしれません。しかし、失敗を防ぐためには、すべての材料を事前に正確に計量することが欠かせません。ひと手間ですが、この工程を踏むことで、確実においしいお菓子を作ることができます。
生地を休ませる
ベーキングパウダーは水分と反応して生地を膨らませます。通常は、生地をすぐに焼くのが良いのですが、入れすぎた場合は、生地を少し休ませることで、焼く時に発生するガスの量を減らし、膨らみすぎを防ぐことができます。
苦味を和らげる方法
ベーキングパウダーの入れすぎによる苦味を和らげるためには、次の材料を加えると効果的です。
・アーモンドやクルミなどのナッツ類
・チョコチップや蜂蜜などの甘味料
・レモン汁
ナッツやドライフルーツを加えることで、風味が豊かになり、苦味が和らぎます。また、レモン汁を加えると、アルカリ性の重曹を中和し、苦味を軽減できます。さらに、焼き上がりにチョコレートソースや蜂蜜をトッピングするのもおすすめです。
ベーキングパウダーに含まれるアルミについて
ベーキングパウダーの主成分には、重曹、酸性剤、そして反応を抑えるための遮断剤が含まれています。重曹の苦味を抑えるために硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)が使用されることがありますが、かつてはアルミニウムの過剰摂取が健康に悪影響を与える可能性が指摘されていました。しかし、現在では、アルミニウムによる健康被害は確認されていません。
とはいえ、アルミの安全性に対する懸念が完全に払拭されているわけではないため、アルミフリーのベーキングパウダーを選ぶ方が安全だと考える人が増えています。ごく少量しか使わないとはいえ、気になる方はアルミフリーの製品を選ぶと良いでしょう。
まとめ
ベーキングパウダーを入れすぎると、お菓子が苦くなったり、膨らまなくなったり、パサパサになることがあります。そのため、正確に計量し、レシピ通りに作ることが大切です。もし入れすぎてしまった場合には、他の材料を増やしてバランスを取ったり、生地を寝かせたりすることで、失敗を回避したり、苦味を抑えることが可能です。