この季節によく目にする果物の一つにプルーンがあります。私は、生のプルーンが酸っぱいので少し苦手なのですが、追熟させることで甘くなるのでしょうか?そこで今回は、プルーンが美味しくなるタイミングについてお話ししたいと思います。
プルーンの追熟方法
プルーンは、ヨーロッパを中心に栽培されている果物で、「西洋スモモ」とも呼ばれます。原産地はカスピ海と黒海に挟まれたコーカサス地方で、古代ローマ時代にはすでに食べられていたと言われています。19世紀半ばにはアメリカに伝わり、そこで品種改良が進められ、現在のカリフォルニアプルーンが誕生しました。現在、世界で流通するプルーンの約40%がカリフォルニア産です。
日本には明治時代にプルーンが伝わりましたが、成熟期に雨が多いと実が割れやすく、病気にかかりやすいため栽培が難しいとされていました。しかし、昭和30年代後半に長野県で再び栽培が始まり、昭和54年には「サンプルーン」として日本中に出荷されるようになりました。現在では、長野県、北海道、青森県を中心に栽培されています。
日本で最も多く栽培されているのは「サンプルーン」です。この品種は甘みが強く、生で食べるのに適しており、特に生食用として人気があります。生のプルーンには、高血圧予防に役立つカリウム、風邪予防や老化防止に効果があるβ‐カロテン、整腸作用が期待できる水溶性食物繊維、さらにビタミンや葉酸などが豊富に含まれています。ミネラルも豊富で、貧血予防や疲労回復に効果があるため、「ミラクルフルーツ」としても知られています。プルーンが貧血予防に良いのは、造血に必要な葉酸が豊富なためであり、鉄分の含有量は他の果物と比べると少なめです。
日本で栽培されているプルーンは、比較的甘いですが、追熟させることでさらに甘さが増します。以下では、プルーンの追熟方法を紹介します。
プルーンの追熟方法
生のプルーンは、購入したばかりの頃は酸味が強いことが多いので、常温で1週間ほど追熟させると甘さが増します。ポイントは、表皮にシワができることです。
手順
プルーンを乾燥から守るため、新聞紙で包んでからビニール袋に入れます。
風通しの良い場所で常温保存します。
表皮にシワができ、果実が柔らかくなってきたら食べ頃です。
追熟後、すぐに食べない場合は冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに食べるようにしましょう。また、保存を優先する場合は、購入後すぐに冷蔵庫で保存することをお勧めします。
常温で追熟する場合
冷暗所に1週間ほど保存します。
表皮にシワができたら完熟のサインです。
完熟後、1~2時間ほど冷やしてから食べると一層美味しくなります。
冷蔵庫で追熟する場合
購入後すぐに冷蔵庫に入れるか、少し常温で追熟させてから冷蔵庫に保管します。
乾燥を防ぐためにラップで包むか、ビニール袋に入れましょう。
冷蔵庫の野菜室で保存し、2週間程度は保存可能です。
冷凍保存する場合
追熟後にプルーンを洗い、水気をしっかり拭き取ります。
フリーザーバッグに入れて冷凍します。
1~2ヶ月ほど保存が可能です。
プルーンの旬は9月頃で、この時期が最も美味しいとされています。ミネラルやビタミンが豊富なプルーンは、夏の疲れを癒すのにもぴったりの果物です。ただし、食べ過ぎるとお腹が緩くなることがあるため、1日4~5個を目安に楽しんでください。