りんごの変色とその対策
お弁当やスナックにぴったりのりんごですが、切ってしばらくすると変色が気になりますよね。今回は、りんごが変色する原因とその対策法、さらに変色してしまったりんごの有効活用方法をご紹介します。
りんごが茶色に変色する理由
りんごが茶色くなるのは、切り口が空気に触れることで酸化反応が起こるためです。この酸化反応によって、次の2つの成分が作用し、りんごが茶色くなります。
・ポリフェノール
・ポリフェノール酸化酵素
酸化が進むとりんごの風味が損なわれ、最終的には腐敗してしまいます。そのため、切ったりんごはなるべく早く食べるのが理想的です。ただし、りんごを切った際に見られる半透明な黄色い部分は蜜であり、酸化とは関係ないので安心してください。むしろ、この部分は甘くて美味しい部分です。
変色したりんごは食べられる?
冷蔵庫に保存していたりんごが変色してしまった場合、変色部分を取り除けば残りの部分は安全に食べられます。少し色が変わっている程度なら、ホットケーキやパウンドケーキの具材として活用することで、見た目を気にせず美味しく食べられます。また、ジュースやジャムに加工するのもおすすめです。加熱や砂糖の効果で、色の問題が気にならなくなります。この方法は、甘さが物足りないりんごにも使えます。
これらの活用法は、カットして変色したりんごだけでなく、保存して少し古くなったりんごにも適用できます。
りんごの変色を防ぐ8つの方法
りんごの変色を防ぐ方法として「塩水につける」が有名ですが、それ以外にも効果的な方法がいくつかあります。ここでは、定番から意外なものまで8つの方法をご紹介します。
1.塩水につける
もっとも一般的な方法ですが、改めてその手順を確認しましょう。
方法
水400mlに塩ひとつまみ(1g)を加える
カットしたりんごを2~3分つける
こうすることで、りんごの酸化を引き起こす「ポリフェノール酸化酵素」が抑えられます。塩味が気になる場合は、サラダの具材にすると、甘さと塩気が絶妙にマッチします。
2.レモン水につける
レモン汁を加えた水にりんごを浸すのも、簡単で効果的な方法です。
方法
水400mlにレモン汁小さじ2(10ml)を加える
カットしたりんごを2~3分つける
レモンに含まれるビタミンCが、変色を防ぐ役割を果たします。ただし、レモン汁を入れすぎると酸味が強くなるので、適量に注意しましょう。
3.酢水につける
酢も変色防止に役立ちますが、そのまま使うと酸味が強すぎるため、水で薄めて使用します。
方法
水200mlに穀物酢小さじ1(5ml)を加える
カットしたりんごを5分ほど浸す
他の方法も同様に簡単に実践できるものがたくさんあります。さまざまな保存方法や食品を組み合わせて、りんごの美味しさをより長く楽しんでみてください。
4. 炭酸水に浸す
意外に思われるかもしれませんが、炭酸水を使ってりんごの変色を防ぐことができます。
方法
大きめの容器に、りんごが十分に浸かる量の炭酸水を入れます。
カットしたりんごを5分ほど浸します。
味付きの炭酸水でも使えますが、りんごに味をつけたくない場合は無味の炭酸水を選ぶと良いでしょう。りんごを浸した後の炭酸水には、ほのかにりんごの風味が移るため、即席のフルーツウォーターとしても楽しめます。
5. 砂糖水に浸す
りんごの変色を防ぐには、砂糖水に浸す方法もあります。塩味や酸味が苦手な方におすすめです。砂糖水の割合は「水1カップに砂糖大さじ1」が目安です。
6. はちみつ水に浸す
はちみつもりんごの変色防止に効果的です。短時間で効果が期待できるので、忙しい時にも便利な方法です。
方法
水200ml(1カップ)に対し、はちみつ大さじ2を加えます。
カットしたりんごを30秒から数分浸します。
はちみつの成分がりんごに浸透し、酸素との接触を防ぐ役割を果たします。
※1歳未満の乳児にははちみつを与えないよう注意が必要です。ボツリヌス症のリスクがあります。
7. 空気を遮断して保存する
カットしたりんごの変色を防ぐ最も効果的な方法は、空気との接触を避けることです。前述の方法で変色を抑えた後、ラップやジッパーバッグでしっかり密閉すると、さらに効果が高まります。
密閉性の高いラップを使ったり、ラップで包んだ後にジッパーバッグに入れるのも良い方法です。
密閉保存は、お弁当やアウトドアでの食事にも適しています。外出先でも、常温で6時間ほど効果が持続するとされています。
8. 変色しにくいりんごの品種を選ぶ
りんごの品種によっては、変色しにくいものもあります。特に青森県産の「千雪(ちゆき)」は注目の品種です。
「千雪」という名前は、表面に浮き出た白い果点が雪を連想させることから付けられました。すりおろしても変色しにくい特性があり、そのため多くの人に選ばれています。また、同じ青森県産の「金星」に似た食感で、ジューシーで甘みが強いのも特徴です。
りんごは「1日1個のりんごで医者いらず」と言われるほど栄養価が高い果物です。適切に保存し、さまざまな料理に取り入れて楽しんでください。