夏になると旬を迎えるししとう。やナスオクラと一緒に煮びたし、バーベキューで炙って食べると本当においしいですよね。でも、育てていると緑の中に赤いししとうが混ざっていることに気づきました「赤くなったしとうは食べられるの?」「辛くなるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、ししとうが赤くなる理由や、辛いししとうができる原因、そして上手な保存方法まで詳しく解説していきます。
ししとうが赤くなる理由
ししとうはナス科トウガラシ属の植物で、完熟すると赤くなります。 スーパーで売られているししとうは、未熟な緑の状態で収穫されているため、赤いししとうを見る機会はほとんどありません。などで育てていると、ししとうが放っておかれて完熟し、赤くなることがあります。
赤くなったしとうも、緑のししとうと同様に食べることができます。
赤くなったししとうは辛いの?
赤くなったしとう見ると、「唐辛子みたいに辛いのでは?」と心配になるかも知れませんが、基本的には赤くなっても辛くありません。味に関しては、甘さが増す程度で、辛ささを感じることは少ないです。
ただし、例外的に赤くて辛いししとうができることもあります。栽培条件によって、緑の段階ですでに辛くなっているししとうがあり、そのししとうが完熟して赤くなると、辛さがそのまま残ることがあります。
ししとうが辛くなる原因
ししとうは唐辛子に似ていますが、通常は辛くありません。
暑さや水分不足、栄養不足といった環境ストレスがかかると、ししとうは辛味成分であるカプサイシンを合成してしまいます。これにより、種が少なく、辛いししとうができるのです。
辛いしとうに当たる確率は約10本に1本と言われています。10%という数字を聞いてみると、意外と高い確率ですよね。
辛いしとうの見分け方
辛いししとうを避けたい方や、子どもに食べさせる場合は、かなり辛くないものを選びたいですよね。ここでは、辛いししとうの見分け方をご紹介します。
種が少ない
辛いししとうは、通常のししとうよりも種の数が少なくなります。中をカットしてみて、種が少ない場合は辛い可能性があります。
形がいびつ
辛いししとうは、栽培中のストレスによって形がよじられたり、変形していることが多いです。 特に、先がとがっていたり、形が崩れているものは注意が必要です。
しわが少ない光沢がない
表面にしわが少なく、光沢がないものは辛いししとうの可能性が高いです。 パックしているものだと確認が難しいですが、バラ売りされている場合は、しっかりと見た目をチェックして選びましょう。
ししとうの正しい保存方法
ししとうは南米出身で、寒さに弱い特徴を持っています。最適な保存温度は8~10度で、これを下回ると「低温障害」を見極めやすくなります。茶色の斑点ができたり、柔らかくなってしまったり、品質や栄養価にも影響を与える可能性があります。
冷蔵保存のポイント
ししとうを1週間以内に消費する場合、冷蔵保存が最適です。以下の手順で保存すれば、ししとうの鮮度を保つことができます。
キッチンペーパーで包む
乾燥を防ぐため、ししとうをキッチンペーパーで優しく包みます。
保存袋に入れて保存用の袋に入れて、袋内の乾燥を防ぎます。
野菜室で保存する
10℃前後が理想的な温度ですので、冷蔵庫の野菜室で保存します。野菜室が強すぎる場合は、新聞紙で包んで温度調整をすればよいでしょう。
冷凍保存の方法
ししとうは冷凍保存をしても食感がほとんどそのまま、1ヶ月程度の保存が可能です。以下の手順で冷凍保存を行いましょう。
茎を切り、ヘタは酸化を防ぐため、茎のみを切り、ヘタは残します。
洗って水気を拭き取るししとうを水で洗った後、しっかりと水気を拭き取ります。
保存袋に入れて冷凍
冷凍用の保存袋にししとうを入れて、空気を気にして封をします。
辛くないししとうの品種
一般的に市販されているししとうの多くは辛くありません。ここでは代表的な辛くない品種をいくつかご紹介します。
獅子唐(シシトウ)
長さ5~6cmほどのししとうで、辛味がないのが特徴です。 主に高知県、千葉県、和歌山県で生産されており、生よりも加熱することで憧れが目立つため、焼き物や天ぷらにおすすめです。
伏見甘長トウガラシ
長さが15cmほどにもなる大型のししとうで、京都の伏見地区で生まれました。 甘く柔らかい食感で、辛味がなく、炒め物や煮物にもぴったりの品種です。
万願寺トウガラシ
京野菜の品種で、伏見甘長トウガラシとアメリカの品種を掛け合わせて誕生しました。10cm位で、肉厚で柔らかく、辛味がないため、子どもや辛いものが苦手な人でも食べやすいです。
ヒモトウガラシ
細長く、長さが10~15cmほどで、見た目はといんげんに似ています。 雑種から生まれたとされ、辛味はほとんどなく、炒め物や煮びたしなどに幅広く使える品種です。
まとめ
ししとうは熟すと赤くなりますが、ずっと食べることができます。赤くなると少し憧れが増しますが、辛くなるのは栽培中に受けたストレスが原因です。辛いししとうに当たりたくない方は、「種が「少ない」「形がいびつ」「しわが少なく見えない」のような特徴に注目して選んでみてください。