はじめに：二十日正月ってどんな日？
こんにちは！このページでは、「二十日正月（はつかしょうがつ）」について、やさしくわかりやすくご紹介します。
お正月というと、元日から三が日、そして七草粥や鏡開きなどを思い浮かべる方が多いと思います。でも実は、1月20日にも「二十日正月」と呼ばれる、ちょっと特別な日があるのをご存じですか？
「もう一つのお正月」ともいえるこの日には、昔ながらの風習や行事が残っていて、家庭や地域によってさまざまな過ごし方がされています。
「初めて聞いた！」という方も大丈夫。このページでは、
- 二十日正月って何の日？
- どんな意味があるの？
- どんな風に過ごせばいいの？
といった素朴な疑問にお答えしながら、楽しく学べる内容になっています。
昔ながらの日本の暮らしにちょっと触れてみたいなと思っている方や、家族で季節の行事を楽しみたい方にもぴったり。
どうぞ、ほっとひと息つきながらお読みくださいね。
二十日正月の意味と別名（骨正月など）
二十日正月とは、毎年1月20日に祝われる、お正月の締めくくりの日です。
この日は「骨正月（ほねしょうがつ）」とも呼ばれています。
なぜ「骨」なのかというと、お正月に食べきれなかったおせちやごちそうの“骨”まで大切に食べて感謝する日という意味合いがあるからなんです。
昔の人は「食べ物を無駄にしない」「最後まで大切にいただく」という気持ちを、とても大事にしていました。
ですので、この二十日正月は「ごちそうをきれいに食べ終えて、新しい日常へと戻っていく」という意味でもあるんですね。
また、「正月納めの日」として、飾りや道具を片付けて神様をお送りする日とされている地域もあります。
いつ行われるの？日にちと由来
二十日正月は、その名の通り「1月20日」に行われる行事です。
元日から始まったお正月のさまざまな行事（初詣・七草・鏡開きなど）を一段落させる、いわばお正月の締めくくりの日。
「小正月（1月15日）」のあと、日常生活に戻る区切りとして昔から大切にされてきました。
また、地域によっては「お正月の神様（年神様）をお見送りする日」としても位置づけられています。
どの地域で行われているの？風習の広がり
二十日正月の風習は、東北地方・関東地方・中部地方の一部などで多く見られます。
特に農村部では、季節の節目として大切にされていて、地域の伝統行事として継承されているところもあります。
例えば、
- 岩手県では「年取りの締めくくり」として料理を囲んだり、
- 長野県では「正月送り」として門松などを片付けたり、
- 新潟県では神棚に手を合わせる家庭も。
ただし、最近ではこの風習自体があまり知られておらず、知らないまま過ぎてしまう方も多いかもしれません。
それでも、「昔ながらの暮らしを大切にしたい」という声とともに、近年じわじわと注目されてきている行事でもありますよ。
歴史に触れる：二十日正月の起源と背景
二十日正月は、ただの「お正月の終わり」ではありません。日本の歴史や暮らしの中で、とても大切な意味を持つ行事のひとつです。
昔の日本では、お正月を「年神様（としがみさま）」をお迎えする神聖な期間と考えていました。そして、年神様が帰る日として「二十日正月」を設け、感謝の気持ちを込めてお見送りをする習慣が生まれたのです。
また、農村部ではこの日をもって「正月気分を終わらせて、農作業や仕事に戻る」という意味合いもありました。心を切り替える大切な節目だったんですね。
さらに、武家社会や商人のあいだでも、「骨正月」を通して無駄を省く、節度ある生活を始める合図とされていました。
このように、自然とともに暮らし、神様や先祖への感謝を大切にする日本人の心が、二十日正月には込められているんですよ。
二十日正月はこう楽しむ！暮らしに取り入れるヒント
せっかくの二十日正月。難しく考えず、気軽に楽しんでみませんか？ここでは、ご家庭で取り入れやすい過ごし方をいくつかご紹介します。
おうちでゆっくり「骨正月メニュー」
冷蔵庫に残っているおせちの食材やお魚の骨を活用して、お吸い物や炊き込みごはんにリメイクするのもおすすめです。
「最後までいただく」という心を込めて、家族みんなで味わいながらいただきましょう。
たとえば、
- 焼き魚の骨でダシを取ったスープ
- えびの殻を使った雑炊
- 黒豆の煮汁を使った甘めのごはん
といった、優しくてあたたかい料理がぴったりです。
「ありがとう」を伝えるひとときに
二十日正月は、年神様への感謝だけでなく、
- 一緒にお正月を過ごした家族へ
- 正月料理を作ってくれた方へ
- 元気に過ごせた自分自身へ
「ありがとう」を伝える時間を持ってみるのも素敵ですね。
普段言えない感謝の気持ちも、このタイミングなら素直に届けられるかもしれません。
「季節の切り替え」として小さな飾り替えを
お正月飾りを片付けた後、梅の枝や早咲きの花を飾ると、春の訪れを感じられます。
リビングや玄関にちょこんと飾るだけでも、お部屋の雰囲気が変わって、心も軽やかになりますよ。
何を食べる？二十日正月の料理と献立
二十日正月には、「骨正月」という別名にもあるように、お正月の名残の食材を無駄なく、美味しくいただくのがポイント。
豪華な新しい料理を用意するというよりは、 「残ったものを丁寧に使い切る」 という、昔ながらの知恵と感謝の気持ちを大切にする食卓が理想です。
昔ながらの定番メニュー
- 焼き魚の骨や頭でとったお吸い物
- おせちの残り（昆布巻き・煮しめ・黒豆など）を使った煮物
- 鏡開きのお餅を使った雑煮や焼き餅
といった、やさしい味わいの料理がよく登場します。
現代風にアレンジしてもOK！
たとえば、
- 黒豆の煮汁を使った「黒豆ミルクプリン」
- 伊達巻を刻んでサンドイッチに
- おせちのごぼうでごぼうサラダ
など、家庭にある食材をベースにした簡単アレンジもおすすめ。
「使い切る」ことがテーマなので、冷蔵庫整理も兼ねて楽しく工夫してみてくださいね。
子どもと一緒に楽しめるごはんも◎
二十日正月は、子どもにも伝えたい食育のチャンス。
- 好きなおかずをおにぎりにして「骨正月プレート」
- 家族みんなで残り物アレンジクッキング
- 「ありがとう弁当」と題してお弁当にしても楽しい♪
子どもと一緒にキッチンに立てば、思い出もできて心もほっこりします。
二十日正月に行う伝統的な風習
二十日正月には、地域によってさまざまな伝統的な行事や習わしがあります。 ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
飾り納めと「年神様のお見送り」
お正月に飾っていた門松やしめ縄などの縁起物は、この日をもって片付けるという家庭も多いです。
年神様が1月1日から家庭に滞在し、20日ごろに帰られるという考え方から、 この日は「お見送りの日」として位置づけられているのです。
地域によっては、この日に神棚に手を合わせたり、感謝の言葉を述べたりする風習もあります。
焼納（しょうのう）やお焚き上げ
神社やお寺では、お正月飾りや書き初めなどを焚き上げる「どんど焼き」のような行事が行われることも。
二十日正月にあわせて、地域の広場や神社で火を囲みながら、 「無病息災」や「五穀豊穣」を祈願する風習が残っているところもあります。
火のあたたかさとともに、地域のつながりを感じられる大切な時間ですね。
新年の締めくくりのご挨拶
ビジネスの場や親戚づきあいでも、 「そろそろ正月気分も終わりですね」「今年も本格始動ですね」 といった、切り替えの挨拶を交わすタイミングが二十日正月。
社会的にも、「お正月モードから日常モードへ」と切り替える日として意識されているんです。
どこで祝う？おすすめの場所とイベント情報
二十日正月をより深く楽しみたい方へ、実際に訪れることができる「おすすめスポット」や「イベント情報」をご紹介します。
地域ごとに伝統が残る場所では、行事の雰囲気を体験できたり、お正月気分をもう一度味わえる特別な時間が待っています。
伝統行事が残るおすすめ地域
岩手県・宮城県（東北地方）
二十日正月の文化が色濃く残っている地域です。小正月とあわせて、「どんと祭」やお焚き上げが行われ、火を囲みながら願いごとをする行事も。
長野県・新潟県（中部地方）
「正月送り」や「骨正月」として、家族で料理を囲む習慣が根強く残るエリア。
地元の神社などでは飾り納めの儀式や感謝祭が開催されることもあります。
奈良県や京都府の一部地域
古くからの伝統文化が多く残る土地柄もあり、年中行事として紹介されることもあります。
旅行を兼ねて行くのもおすすめですよ。
2025年開催予定の注目イベント
（※2025年のスケジュールは例示です。事前に地域の公式情報をご確認ください）
- 【東京都世田谷区】烏山神社「迎春感謝祭」…1月20日前後
- 【長野県佐久市】二十日正月ふれあいイベント（体験型ワークショップ）
- 【新潟県長岡市】飾り納め・もちつき体験・和太鼓演奏会
地域の観光協会や市役所サイトなどで「二十日正月」「どんど焼き」「正月送り」などのキーワードで検索してみると、思わぬ素敵なイベントに出会えるかもしれません。
家族旅行にもぴったりな理由
この時期はお正月明けで比較的観光地も落ち着いており、旅のコストも抑えめ。
- 地元のごちそうを味わえる
- 季節感のある風景が広がる
- 雪景色と神社仏閣の組み合わせがとても美しい
など、写真映えするスポットもたくさんあります。
「ただの旅行」ではなく、「行事を学び・感じ・楽しむ旅」にしてみるのもおすすめですよ。
着て楽しむ二十日正月：衣装と和の演出
せっかくの特別な日、ちょっとした衣装や演出で気分を盛り上げてみませんか？ 「骨正月」はフォーマルな行事というより、家庭でゆったり過ごす和やかな時間なので、無理なく取り入れられる工夫がたくさんあります。
おうちで楽しむカジュアル和装
着物まではいかなくても、
- 柄入りの羽織
- 和風柄のエプロン
- 足袋風ソックス などを取り入れるだけでも雰囲気がガラリと変わります。
また、和風のヘアアクセやちりめん素材の小物を身につけるだけでも、十分に「和の演出」が叶いますよ。
お正月飾りを片付けたあとのシンプルな空間に、ほんの少しの和アイテムが映えるんです。
写真映えする小物で家族の記念日風に
- 梅の造花や折り紙で作った花飾り
- 赤や白を基調としたランチョンマット
- 干支モチーフの置き物
などを使えば、スマホでパシャっと撮るだけでも素敵な1枚に。
「今年の骨正月もいい時間だったね」 そんな思い出を形に残すきっかけにもなります。
お子さんがいらっしゃるご家庭では、手作りかんむりや手描きのミニのぼり旗などを作って、写真を撮るときの「おめかしアイテム」として活用するのもおすすめです。
和の演出で心も空間も切り替える
衣装や小物は、「気持ちの切り替え」にもぴったり。
お正月の華やかさから、日常へ戻るその間に、 ちょっとした工夫で「区切り」が自然と生まれます。
おしゃれでなくても、気負わなくても大丈夫。
「いつもの服に和柄のストールだけ」 そんなささやかな演出でも、心がふわっと温かくなるのが和の魅力です。
二十日正月と関連する行事との違い
日本の新年行事はたくさんありますよね。 「二十日正月」と聞くと、「小正月」や「鏡開き」との違いが気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、よく混同されがちな行事との違いを、わかりやすくまとめてみました。
小正月（1月15日ごろ）との違い
小正月は、主に1月15日前後に行われる行事で、「女正月」とも呼ばれます。
意味としては、
- 正月行事を終えた女性たちが一息つく日
- 若返りや無病息災を願う
といった意味合いがあります。
対して二十日正月は、
- お正月の締めくくり・納めの日
- 飾りや神様をお見送りする日
として位置づけられています。
どちらも「区切り」としての意味は共通していますが、 二十日正月はより実務的な“お正月片付け”の印象が強いですね。
鏡開き（1月11日ごろ）との違い
鏡開きは、お正月に供えた鏡餅をおろし、家族でいただく行事です。
- 鏡餅に宿った神様の力を分けていただく
- 家内安全・無病息災を願う
という、神聖で儀式的な意味合いがあるのが特徴。
二十日正月は、そのあとに来る“締め”のような立ち位置で、
- 残ったごちそうを食べ切る
- 神様をきちんと見送る
といった、生活のリズムを整えるような実践的な行事になっています。
七草（1月7日）との違い
七草粥は、新年の胃をいたわる行事。 お正月料理で疲れた胃腸を休めるために、
- 春の七草を入れたおかゆを食べる
- 一年の健康を願う
といった役割があります。
一方、二十日正月は「感謝・片付け・けじめ」に重きが置かれた日。 胃を休めるのではなく、心と空間を整えるイメージですね。
まとめ：それぞれの行事をつなぐ「節目」
| 行事名 | 日にち | 主な意味 |
|---|---|---|
| 七草 | 1月7日 | 胃腸をいたわる、健康祈願 |
| 鏡開き | 1月11日 | 鏡餅を開いて神様の力をいただく |
| 小正月 | 1月15日 | 女性中心の休息日、無病息災 |
| 二十日正月 | 1月20日 | 飾り納め・お正月の締めくくり |
それぞれの行事が「新年を迎える流れ」の中で、 ちゃんと意味を持ってつながっているのがわかります。
「やらなきゃいけない」というよりも、 その時期その時期で、気持ちをリセットしながら過ごしていく日本人の知恵。
無理せず、できる範囲で楽しみながら取り入れていきたいですね。
体験談・口コミ紹介：みんなの二十日正月
実際に二十日正月を過ごしている方々の声をご紹介します。
インターネットやSNS、ブログなどから集めた“リアルな体験談”は、 「どんなふうに過ごしているのか？」「どんな気持ちで行っているのか？」 といった参考になります。
SNSで見つけたほっこり体験
おせちの残りをぜんぶ使って骨正月ごはんを作りました！ 魚の骨でだしを取ったスープが思ったより美味しくて感動。来年もやる！ （40代・主婦）
お正月飾りを片付けて、手作りの梅飾りにチェンジ。 二十日正月って“春のスタート”を意識できるのが好き。 （30代・会社員・女性）
子どもと一緒に「ありがとう弁当」作りました。 おせちの残りものでも喜んでくれて、いい思い出に。 （ママ・育児中）
ブログや地域サイトに寄せられた声
- 「昔は祖母が必ず1月20日に“骨正月”といって料理をしてくれた。今は私が娘と一緒に続けています」
- 「骨正月って聞いたことなかったけど、調べてみたら“もったいない”の精神があって素敵な行事だなと思った」
- 「年末年始は忙しいから、むしろ1月20日に家族でゆっくり過ごせるのがいい」
よくある感想・ポイントまとめ
- お正月のごちそうをムダなく使えて嬉しい
- 子どもと一緒に行事に参加できて思い出になる
- 飾りや部屋を片付けるタイミングとしてちょうどよい
- 昔は知らなかったけど、今は“区切り”として大事にしている
こうした声からもわかるように、二十日正月は「ゆるやかに気持ちを整えるための行事」として多くの方が楽しんでいます。
難しく考えすぎず、家庭に合った形で取り入れてみるのが一番ですね。
よくある質問Q&A：初心者さんの疑問解決！
二十日正月って、聞きなれない方も多いですよね。 ここでは、初めての方にもわかりやすく「よくある質問とその答え」をまとめてみました。
Q1. 二十日正月って、絶対にやらないといけないの？
A. いいえ、絶対にやらないといけない行事ではありません。
宗教的な義務やルールではなく、昔ながらの暮らしの知恵や感謝の気持ちを大切にする日として、自由に楽しむものです。
できる範囲で、おうちに合ったスタイルで取り入れてみてくださいね。
Q2. 何をすれば「二十日正月を過ごしたこと」になるの？
A. 特別なルールはありませんが、
- お正月飾りを片付ける
- 残ったおせちやごちそうを工夫して食べきる
- 神様やご先祖様に感謝の気持ちを伝える
といったことを意識すれば、もう立派な「二十日正月」になります。
小さな区切りでも、「気持ちが整う」のがいちばんの目的なんです。
Q3. 一人暮らしでもできる？家族がいなくても楽しめる？
A. もちろんです！
一人暮らしの方でも、
- 小さな和風料理をつくる
- 飾りを片付けて、季節の花を飾る
- 今年の目標をノートに書いてみる
など、自分だけの静かな時間をつくることで、 しっかり「節目の気持ち」を味わえますよ。
Q4. 子どもにどうやって伝えればいい？
A. 難しく考えず、遊びや体験と結びつけるのがおすすめです。
- 「ありがとう」をテーマに絵を描いてもらう
- 残り物で「ごちそうプレート」を一緒に作る
- 「お正月が終わる日なんだよ」と話してみる
など、小さなきっかけで十分です。 子どもなりの理解と感じ方で、行事を覚えていくきっかけになります。
まとめ：暮らしに寄り添う二十日正月の魅力
ここまで、二十日正月についていろいろとご紹介してきました。 最後にもう一度、この行事が持つ“やさしい魅力”をふり返ってみましょう。
気持ちの切り替えを大切にする日
お正月の賑やかさが落ち着き、日常に戻るタイミング。
そんなときに、二十日正月のような行事があることで、 心に“そっと区切り”をつけることができます。
何か特別なことをしなくても、 「ありがとう」「今年もがんばろう」 そんな小さな想いを持つだけで、気持ちの切り替えがスムーズになりますよね。
家族や地域とのつながりを感じられる
料理を囲んだり、飾りを片付けたり、 SNSで思い出をシェアしたり——。
行事をきっかけに、ふだんとはちょっと違う会話や、 あたたかい交流が生まれるのも二十日正月の魅力です。
特に「何もしないと終わっちゃうお正月」を やさしく締めくくる役割を果たしてくれる行事だといえるでしょう。
自分らしく、ゆるやかに取り入れて
伝統や風習というと、「こうしなければいけない」というイメージを持たれがちですが、 二十日正月はそのハードルがとても低く、
- 家族で楽しむ
- 一人で静かに過ごす
- 子どもと一緒に体験する
など、それぞれの暮らしに合わせて自由に楽しめるのが素敵なところ。
「忙しい毎日の中で、ちょっとひと息つけるきっかけがほしい」 そんな方にこそ、ぜひ知ってもらいたい行事です。
いかがでしたか？
この記事が、二十日正月を「ちょっとやってみようかな」と思うきっかけになれば嬉しいです。 あなたの暮らしに、やさしく寄り添う時間が増えますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
