長芋は、「とろろご飯」や短冊切りでシンプルに食べるなど、さまざまな楽しみ方ができます。生で食べられる芋類は世界でも珍しいのをご存知ですか?
シャキシャキ、トロトロ、ホクホクといった多様な食感が楽しめる長芋ですが、実は冷凍保存が可能です。冷凍保存の方法を知っておけば、消費しきれないからと購入をためらっていた方も、長芋料理に挑戦したくなるでしょう。
1. 長芋の保存方法:冷凍が便利!
多くの方は長芋を冷蔵保存しているかと思いますが、長芋は冷蔵、冷凍、そして条件次第では常温保存も可能です。状態に合わせて適切な保存方法を選ぶことが大切です。使い切れない長芋は、まとめて下処理して冷凍すると後で便利です。
冷凍保存がおすすめ
長芋は滑りやすく扱いが難しいですが、皮をむいてカットしたり、すりおろしてから冷凍することで便利に使えます。料理に合わせて切り分けておくと調理が楽になり、時間の節約にもなります。冷凍保存をうまく活用すれば、長期保存が可能で、風味も保てます。
冷蔵・常温保存も可能
長芋は光や湿気、空気に弱い野菜ですが、適切な環境で保存すると比較的日持ちします。丸ごとの長芋とカットされた長芋では保存方法が異なるので、それぞれに合った方法を選びましょう。
保存食にして長持ちさせる方法
カットした長芋は劣化が早いため、しょうゆやめんつゆに漬けて保存食にするのも一つの方法です。これで箸休めの一品として活用でき、梅やレモン風味にするなどアレンジすれば飽きずに楽しめます。また、酢を使ったピクルスも保存効果が高いです。
新鮮な長芋を選ぶポイント
美味しい長芋を選ぶには、鮮度が重要です。新鮮な長芋の見分け方は、表面の状態や切り口に現れます。以下のポイントを参考に、新鮮な長芋を選んでください。
皮と重さ
皮が肌色で、表面が滑らかでツヤがあるものが新鮮です。ひげ根がしっかり残っているものが良いです。手に持ったときにずっしりとした重みがあり、ふっくらとした形のものを選びましょう。傷があるものや形が不規則なものは、鮮度が落ちている可能性があるため避けてください。
切り口
カットされた長芋を購入する際は、切り口に注意しましょう。変色している場合は鮮度が落ちている証拠ですので、白くてみずみずしい状態のものを選びましょう。
長芋の劣化のサイン
長芋が傷んでくると、皮が黒ずんだりカビが生えたりすることがあります。また、触感が柔らかくなり、最終的には溶けたような状態になることもあります。このような場合は、食べないようにしましょう。
ピンク色に変色していることがありますが、これは長芋に含まれるポリフェノールが酸素と反応した結果であり、りんごが変色するのと同じ現象です。この場合は食べても問題ありません。適切な保存方法を取ることで、劣化を遅らせることができます。
長芋の冷凍保存方法
冷凍するとシャキシャキ感が失われることを心配するかもしれませんが、適切に冷凍することで、美味しさや白さを保ちながら長期保存が可能です。ここでは、使いやすい形にカットしてから冷凍する方法をご紹介します。
カットされた長芋の場合
皮を付けたままでも冷凍保存が可能です。使う際には必要な分だけを切り取って調理しましょう。
ラップで包んで冷凍保存
長芋をラップで包み、さらにジッパー付きの保存袋に入れて冷凍庫に入れます。これにより、庫内の乾燥から長芋を守ります。
使い方
冷凍した長芋は、使いたい分だけ取り出して使います。完全に解凍する必要はなく、そのまま再冷凍も可能です。
千切りの長芋
酢の物や味噌汁の具材として便利です。短冊切りでも使用できます。
①酢水に漬ける
皮をむいた長芋を千切りにし、水1リットルに対して酢大さじ2を加えた酢水に浸して変色を防ぎます。
②水気を拭き取る
約10分漬けた後、ザルに上げて水気を拭き取ります。
③ラップで包んで冷凍保存
小分けにしてラップで包み、保存袋に入れて空気を抜き、平らにして冷凍します。これにより、冷凍速度が速まり、鮮度を保つことができます。
冷凍保存した長芋の使い方
自然解凍の方法
冷蔵庫でゆっくりと解凍すると、長芋のシャキシャキ感を保てるため、サラダや酢の物などにそのまま使えます。味噌汁や炒め物にする場合は、凍ったまま調理できます。
乱切りの長芋
乱切りの長芋は、煮物に使うとホクホクとした食感が楽しめます。冷凍することで細胞が壊れ、味が染み込みやすくなり、調理時間も短縮されます。
①乱切りにして酢水に漬ける
皮をむいた長芋を乱切りにし、水1リットルに対して酢大さじ2を加えた酢水に浸します。これは変色を防ぐためです。
②10分後に水気を拭き取る
10分ほど酢水に浸した後、ザルに上げて水気をしっかり拭き取ります。
③保存袋に入れて冷凍庫へ
チャック付きの保存袋に入れ、重ならないように並べてから空気を抜いて密封し、冷凍庫に入れます。
④3時間後にほぐす
3時間後に袋を取り出し、固まった長芋をほぐして再度冷凍します。これにより、使いたい分だけ取り出しやすくなります。
調理方法
乱切りの長芋は凍ったまま調理できます。冷凍によって食感が少し変わりますが、揚げ物や煮物、炒め物として楽しめます。
輪切りの長芋
輪切りの長芋は長芋ステーキに最適です。冷凍しておくと、手軽に一品追加できます。
①輪切りにして酢水に漬ける
皮をむいた長芋を輪切りにし、酢水(酢大さじ2を水1リットルに混ぜたもの)に浸します。厚さは1cm以上が推奨されます。
②10分後に水気を拭き取る
10分ほど酢水に漬けた後、水気をしっかり拭き取ります。
③重ならないように保存袋へ
輪切りの長芋を重ならないように保存袋に入れ、空気を抜いて密封します。
調理方法
凍ったままの輪切り長芋をフライパンで焼くだけで簡単に長芋ステーキが完成します。シンプルに塩コショウで味付けするだけでも美味しいですが、ガーリック風味やバター醤油、チーズを加えてアレンジするのもおすすめです。
潰した長芋
すりおろすのが面倒な場合、潰して保存する方法がおすすめです。叩いて潰すことで、トロロ芋のような食感と長芋のシャキシャキ感を同時に楽しめ、調味料も絡みやすくなります。
①適当なサイズにカットし酢水に漬ける
皮をむいた長芋を適当な大きさに切り、変色を防ぐために酢水に浸します。
②1回分ずつ小分け
水気を拭き取った後、1回分ずつ小分けにして保存袋に入れます。
③綿棒で潰す
袋の上から綿棒で好みの粗さに潰します。袋が破れないように注意してください。
④酢を加えて冷凍保存
変色防止のために酢を少量加え、袋を揉んで全体に行き渡らせます。空気をしっかり抜いて平らにし、冷凍保存します。
解凍方法と調理法
解凍方法
冷蔵庫で自然解凍すると、長芋の風味と食感がほとんど損なわれません。急ぎの場合は、袋ごと流水で解凍したり、電子レンジで軽く加熱することも可能ですが、電子レンジの場合は半解凍にとどめると良いです。生で食べる場合は、とろろご飯や和え物に適しています。
すりおろした長芋の冷凍方法
すりおろし方法
長芋をすりおろして冷凍すると、解凍後もそのままトロロご飯やお好み焼きなどでふわふわの食感を楽しめます。保存方法としておすすめです。
①すりおろしと酢の使用
長芋の皮をむいておろし金でおろします。変色を防ぐために、酢を数滴加えましょう。金属製のおろし金を使うと酸化が進みやすいので、プラスチック製のおろし金を使うか、おろし金を酢水に浸してから使用すると良いです。
②小分け保存
使いやすいように1回分ずつ小分けにして、チャック付き保存袋に入れます。Sサイズの袋が便利です。
③平らにして冷凍
中身を平たく伸ばし、空気を抜いてから袋の口を閉じます。
解凍と調理
自然解凍する場合は冷蔵庫でじっくり解凍すると良いです。急ぐ場合は流水解凍や電子レンジを使っても構いません。とろろご飯や山かけそばに使う際は、袋の角を切って絞り出すと手が汚れません。また、お好み焼きのつなぎとしても活用できます。
保存期間
これらの保存方法で冷凍した場合、約1ヶ月間保存が可能です。しかし、保存期間が長くなると風味が落ちることがあるので、できるだけ早めに消費することをお勧めします。
長芋の冷蔵保存方法
夏場やカットした長芋は傷みやすいため、冷蔵保存がおすすめです。ただし、冷蔵庫内の乾燥を防ぐ工夫が必要です。
丸ごと保存する場合
①新聞紙で包む
長芋は乾燥を防ぐために新聞紙で包みます。崩れないようにガムテープで固定しましょう。
②ポリ袋に入れて野菜室へ
新聞紙で包んだ長芋をポリ袋に入れ、湿度が保たれる野菜室で保存します。
カットされた長芋の保存
①ラップで包む
切り口をラップでしっかりと覆い、空気に触れないようにします。酢水を使って変色を防ぐのも良いです。さらに、キッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れると乾燥を防げます。
②野菜室で保存
野菜室の適度な湿度で保存します。
保存期間
丸ごとの場合は1ヶ月程度保存可能です。カットされた長芋は1週間から10日ほどで使い切るのが理想です。風味を保つため、できるだけ早めに消費しましょう。
長芋の常温保存方法
長芋は適切な温度と湿度を保てば常温でも保存できますが、カットされたものは傷みやすいため常温保存には向きません。丸ごとの長芋を購入した場合にのみ行いましょう。
丸ごとの保存
長芋は光や湿気、乾燥を避けて保存することが重要です。おがくずが付いている場合は、そのままにしておくと乾燥や湿気を防ぐ効果があります。長芋は高温に弱いため、気温が25℃を超える場合は冷蔵庫での保存をおすすめします。
①新聞紙で包む
長芋を新聞紙で包みます。新聞紙は適度な湿度を保ち、光も遮断します。さらに段ボール箱に入れておくと良いでしょう。
②風通しの良い冷暗所で保存
新聞紙で包んだ長芋を直射日光の当たらない風通しの良い涼しい場所に保管してください。
保存期間
適切に保存すれば、常温で2週間から1ヶ月程度保存できます。ただし、気温や湿度が高い環境では保存期間が短くなるため、長芋の状態をこまめに確認するようにしましょう。
丸ごとの長芋を使った冷凍保存のポイント
長芋はさまざまな切り方で冷凍保存ができ、料理の幅が広がります。生でも加熱しても異なる食感が楽しめる長芋を、ぜひ1本丸ごと購入してみてください。適切な保存方法を実践して、長芋のおいしさを長く楽しんでくださいね。