はじめに
議事録って実際どんな役割があるの?
会議のあとに「何を話したんだっけ?」と思ったことはありませんか?議事録は、会議の内容をしっかりと記録し、あとで見返せるようにする大切なツールです。誰が何を言ったのか、どんな決定がされたのかをきちんと残すことで、仕事のミスやトラブルを防ぐことができます。特に、忙しい職場では一つひとつの発言を覚えておくのが難しいため、記録に残すことで次回の会議や業務の進行がスムーズになります。議事録はチームの「共通認識」を作るための大切なコミュニケーション手段でもあるのです。
Wordで議事録を作るメリットとは
Wordは、多くの職場で使われている定番ソフト。使い慣れている人も多く、テンプレートや機能も豊富なので、議事録作成にもとっても便利です。たとえば、テンプレートを使えば基本のフォーマットがすぐ整い、スタイル機能で見出しや本文のデザインも統一しやすくなります。Wordには変更履歴やコメント機能もあるので、複数人で確認・修正する作業にもぴったりです。見た目も整えやすく、上司や取引先に提出しても恥ずかしくない仕上がりになりますよ。PDFに変換して保存したり、メールに添付したりといった後処理もスムーズに行えるのがうれしいポイントです。
この記事でわかること|初心者にも安心の手順ガイド
この記事では、「議事録って何を書けばいいの?」「Wordでどう作ればいいの?」という初心者さんにもわかりやすく、ステップごとにご紹介します。議事録の基本から準備、書き方のコツ、共有までの流れを丁寧に解説していきます。また、テンプレートや例文も交えて、実際に役立つ内容をたっぷりとお届けしますので、これから議事録担当になる方も安心して読み進めていただけます。
議事録を作る前に知っておきたい基礎知識
議事録とは?種類と目的を理解しよう
議事録には大きく分けて「要点をまとめるタイプ」と「発言を細かく記録するタイプ」の2つがあります。前者は「概要型」とも呼ばれ、話し合いのポイントや結論を中心に簡潔に記載します。後者の「逐語型」は、誰が何を発言したのかをほぼそのまま文字に起こすスタイルで、正確性が求められる法的な会議や専門性の高いプロジェクトでよく使われます。
社内の会議では、時間効率や読みやすさを重視した「要点型」が多く採用される傾向がありますが、会議の重要度や目的に応じて使い分けることが大切です。たとえば、取引先との契約に関わる会議では、発言内容の正確な記録が求められるため、逐語型が適していることもあります。
社内用・クライアント用で何が違う?
議事録を作るときは、「誰に渡すか」によって書き方や内容の深さが変わります。社内向けの場合は、簡潔にわかりやすくまとめることが大切です。特に、同じチーム内で共有する場合は、日常的に使われる用語や略語を使っても問題ありません。ただし、異なる部署にも共有する場合は、専門用語の補足や説明があると親切です。
一方、クライアント向けに提出する議事録では、より丁寧な文体や表現に気を配り、フォーマットの整った見やすいレイアウトに仕上げましょう。誤解を招かない表現を使うことが信頼関係の構築にもつながります。また、敬語の使い方や句読点のバランスなど、細かな部分にも配慮が求められます。
誰のために書くかで内容が変わる
議事録は「読み手」を意識して作成することがとても大切です。上司が目を通すことが多い場合は、会議の全体像が把握できるように要点を明確に書くことが求められます。経営層向けには特に、結論や重要な意思決定を目立たせる工夫が必要です。
一方、チームメンバーの業務遂行のためであれば、タスクや担当者を明確にし、ToDoリストのような書き方にするのも効果的です。読み手によって、「報告中心にするのか」「アクション重視にするのか」など、内容の方向性を考えて作成すると、より役立つ議事録になりますよ。
Wordでの議事録作成の準備と基本設定
議事録作成に必要な前準備
議題や出席者リスト、会議の目的など、事前にわかっている情報は先に書いておくと作成がスムーズです。特に、会議の主催者や参加者の役職・立場も書き添えておくと、誰が何を発言したのかを整理しやすくなります。また、会議の開催日時や場所、所要時間も明記しておくと、後から読み返すときに全体像が把握しやすくなります。
さらに、事前にテンプレートを用意しておくことで、当日のメモ取りもスムーズになります。テンプレートには、議題ごとの欄、発言者欄、決定事項・アクション項目の記入欄などをあらかじめ設けておくと便利です。紙のノートでも構いませんが、Wordファイルで雛形を保存しておけば、毎回の会議で使い回しができて効率的です。
Wordでの書式・レイアウトの初期設定
フォントサイズは読みやすさ重視で10.5pt〜12ptが一般的です。小さすぎると目が疲れてしまいますし、大きすぎると1ページに収まる情報量が減ってしまいますので、バランスが大切です。フォントはMS 明朝やMS ゴシックなど、ビジネスシーンでよく使われるものを選ぶと安心です。
見出しや段落ごとにスタイルを設定すると、文書全体の統一感が出て読みやすくなります。たとえば、見出し1は太字・14pt・青色、見出し2は太字・12pt・黒など、自分なりのルールを決めておくと、後で修正する際も迷いません。行間の設定は「1.15倍」や「1.5倍」が見やすくておすすめです。
フォーマット例:表形式/箇条書き形式/シンプル構成
- 表形式:日付・議題・発言者・内容を一覧にまとめたいときに便利。特に、複数の発言者が順に話すような会議では、発言の流れを整理するのに適しています。
- 箇条書き形式:シンプルに要点だけを押さえたいときに◎。短時間の打ち合わせや、メモをそのまま議事録に転用したいときにも活躍します。
- シンプル構成:報告・議論・決定・ToDoなどを順番に並べる方式。誰がどのタスクをいつまでに行うかが一目でわかるので、チームでの共有にも便利です。
それぞれの形式は、会議のスタイルや読み手に合わせて使い分けましょう。たとえば、上司への報告用であれば要点重視の箇条書き、社外共有用であれば表形式やシンプル構成で丁寧にまとめるなど、柔軟に対応することが大切です。
実践!議事録を効率よく書くコツ
会議前にしておきたい準備
会議の前に、議題の確認・参加者リスト・会議の目的をしっかり把握しておきましょう。また、過去の議事録に目を通して、前回の議論や未完了のタスクを確認しておくと、当日の流れが理解しやすくなります。議題に沿ってメモしやすいよう、あらかじめWordでフォーマットを用意しておくのもおすすめです。
また、参加者の役割や会議の流れを事前に予測しておくと、議事録を書く際のスピードと正確さが大きくアップします。たとえば「この議題では〇〇さんが中心になるだろう」「このテーマは決定事項が多そうだ」など、構成をイメージしておくだけでも準備の質が高まります。
会議中のメモ取りテクニック
議事録作成の要は「メモの質」にあります。すべての発言をそのまま書き取るのではなく、重要なキーワードや決定事項、アクションアイテムを中心にメモしましょう。発言者の名前と要点をセットで記録しておくと、後で整理するときに役立ちます。
また、会議中は全体の流れを意識しながら、重要度に応じてメモの優先順位をつけるのもポイントです。すべてを書こうとするより、「何が決まったか」「誰が担当か」を押さえることが大切です。タイピングに自信がない方は、手書きメモと録音を併用するのも一つの方法です。ただし、録音を使用する場合は、必ず事前に参加者の許可を取るようにしてくださいね。
議事録にまとめるときのポイント
メモをもとに議事録を作成する際は、「読みやすさ」と「わかりやすさ」を意識しましょう。長文になりすぎないよう、段落ごとに空白を入れたり、箇条書きを活用したりするのがコツです。
また、事実と意見を混同しないように注意が必要です。あくまでも中立的な立場で、客観的な表現を心がけましょう。「〇〇さんは〜と発言」「決定事項は〜」など、明確に分けて書くと信頼性が高まります。
さらに、文書の最後に「次回予定」「未決事項」「タスクの担当者と期限」などを加えると、実務での活用度がグッと上がります。単に記録するだけでなく、“行動につなげる議事録”を意識して仕上げてみてください。
Wordの便利機能を活用して議事録をもっと快適に
テンプレートの活用とカスタマイズ
Wordにはあらかじめ用意されたテンプレートがあり、「議事録」や「会議メモ」などの名称で検索すると、すぐに使えるフォーマットが見つかります。テンプレートを使えば、一から作成する手間が省けるだけでなく、見出しや表の配置などのデザインも整っているため、誰に見せても恥ずかしくない仕上がりになります。
自分の業務スタイルやチームに合わせてテンプレートをカスタマイズするのもおすすめです。たとえば、「出席者欄の追加」「決定事項を強調する色づけ」「アクション項目に期限記入欄を設ける」など、実務に即した改良を重ねていけば、オリジナルで最強の議事録テンプレートが完成します。
スタイル機能で見た目をスッキリ整える
Wordの「スタイル」機能を使うと、見出しのデザインを一括で統一することができます。「見出し1」「見出し2」などのプリセットスタイルを設定することで、フォントや文字サイズ、色合いが整い、読みやすく美しい文書になります。また、目次の自動生成にも対応しているため、議事録の冒頭に項目一覧を付けたいときにも非常に便利です。
たとえば、「決定事項」「要対応項目」など重要なパートにだけ太字や色を設定しておくことで、読み手の目にも止まりやすくなり、確認漏れを防ぐことにもつながります。
校正・コメント・変更履歴機能でミス防止
議事録は一度提出してしまうと後から修正が難しい場面もあります。そのため、提出前のチェックは非常に重要です。Wordの「スペルチェック」や「文章校正」機能を活用すれば、誤字脱字や不自然な言い回しを自動的に検出してくれます。
また、複数人で議事録を確認・修正したい場合は、「変更履歴」や「コメント」機能を使いましょう。どの部分を誰が修正したかが一目でわかり、確認作業もスムーズです。リーダーや上司からのフィードバックも記録として残せるので、次回以降の改善にもつながります。
議事録完成後の共有と管理のポイント
議事録の配布タイミングと方法
議事録は「できるだけ早く」共有することが理想です。会議終了後すぐにまとめられるのがベストですが、難しい場合でも当日〜翌日中には関係者に配布しましょう。記憶が新しいうちに確認してもらうことで、情報の正確さも担保されます。
配布方法としては、以下のような手段が一般的です:
- 社内メールで送信(PDF添付がおすすめ)
- クラウド共有(OneDriveやGoogleドライブなど)
- チャットツール(TeamsやSlack)に貼り付け・添付
送信時には、件名や本文に「会議名」「日時」「添付の有無」などを明記すると丁寧な印象になります。
誤解を防ぐためのダブルチェック
配布前には、できれば上司やファシリテーターなど、会議の内容をよく把握している人に確認してもらうのが安心です。特に、「決定事項」「発言者の名前」「対応期限」などは誤記があると業務に支障をきたす可能性もあるため、注意が必要です。
また、読み手にとってわかりやすい構成になっているか、難しい表現が使われていないかなども意識して最終確認しましょう。「第三者の目」で読み直すだけでも、見落としがぐんと減りますよ。
保管・管理方法とバージョンの扱い方
議事録は作って終わりではなく、「あとで見返せるようにきちんと保管」することが重要です。WordファイルやPDFとして保存する場合は、以下のような命名ルールを統一すると探しやすくなります:
- 【YYYYMMDD_会議名_議事録】(例:20251025_営業部定例_議事録)
- 【会議名_担当者名_v1.0】などバージョン表記付き
特に複数人が関わるプロジェクトでは、変更履歴や更新日、修正者の情報も記録しておくと便利です。フォルダを会議ごと・部署ごとに整理したり、クラウド上に共有フォルダを設けたりすることで、チーム全体でアクセスしやすくなります。
議事録テンプレート実例紹介
シンプル構成テンプレート(初心者向け)
【会議名】:
【日時】:
【場所】:
【出席者】:
【欠席者】:
【議題1】:◯◯について
・発言者:△△さん
・主な内容:◯◯◯◯
・決定事項:◯◯を次回までに対応
【議題2】:□□について
・発言者:●●さん
・主な内容:□□□□
・決定事項:継続検討
【次回会議予定】:
Wordの表形式に変換すれば、さらに見やすく整理できます。
表形式テンプレート(報告・決定事項を明確に)
| 議題 | 発言者 | 要点 | 決定事項 | 対応者 | 期限 |
|---|---|---|---|---|---|
| ◯◯ | △△ | 概要 | 対応内容 | ●● | ◯月◯日 |
| □□ | ×× | 概要 | 継続検討 | – | – |
議事録の文例集(そのまま使えるフレーズ)
報告事項の例文
- 「○○部より、今月の進捗報告がありました。」
- 「全体として、計画通りに進行しているとの報告がありました。」
質疑応答・議論部分の例文
- 「●●さんより、○○の提案に対し質問がありました。」
- 「△△さんの意見を受けて、議論が行われました。」
決定事項の例文
- 「○○の内容について、全会一致で承認されました。」
- 「次回会議までに△△を実施することが決定しました。」
NG例と改善例
- ❌「とにかく意見がまとまらなかった」 → ✅「複数の意見が出たが、結論には至らなかったため、継続して検討することとなった」
よくある質問(FAQ)
Q. 議事録はどこまで細かく書くべき?
A. 会議の目的や相手により異なりますが、「決定事項」「アクションアイテム」「重要な発言」は必須です。雑談や冗談などは省きましょう。
Q. Word以外でも作れますか?
A. はい。Googleドキュメント、Notion、Excelなどでも作成可能です。チームの共有方法や編集環境に合わせて選びましょう。
Q. 修正や追記はどうすれば?
A. Wordの「変更履歴」機能を使えば、誰がどこを修正したかを記録できます。修正後は最新版のファイル名を明記して保存するのがおすすめです。
現場のリアルな声|体験談から学ぶ
議事録で信頼を得た成功例
「初めて議事録担当を任されたとき、正直不安でした。でも、Wordのテンプレートを使って構成を整え、決定事項を見やすくまとめたことで、上司から『すごく見やすかった!』と褒められました。今では毎回任されるようになり、自信にもつながっています。」
失敗談:記録漏れが引き起こしたトラブル
「ある会議で重要な決定事項をうっかり書き漏らしてしまい、後日トラブルに……。それ以降はメモを取るときに必ず“決定事項マーク”を付けるようにし、共有前のダブルチェックも欠かしません。」
議事録がチームの結束を高めた話
「議事録にメンバーの名前と役割をきちんと記載したことで、『自分の担当を忘れずにやろう』という意識が自然に生まれ、チーム全体の動きがスムーズになりました。議事録って、ただの記録じゃないんだなって実感しました。」
まとめ|わかりやすい議事録でチームを支える
議事録は単なる「記録」ではなく、チームの行動を支え、信頼を築く大切なコミュニケーションの一環です。会議前の準備、会議中のメモ、Wordの機能を活用した整理、配布・共有の工夫、そして振り返りと改善——これらすべてがそろってこそ、“伝わる議事録”が完成します。
「読みやすく、正確で、すぐに行動につながる議事録」を意識するだけで、仕事の効率も人間関係もぐっと良くなりますよ。
最終チェックリスト|配布前に確認しよう
✅ 会議名・日時・出席者は正しく記載されていますか?
✅ 各議題ごとに要点が簡潔にまとまっていますか?
✅ 決定事項・アクションアイテムが明記されていますか?
✅ 発言内容に誤解を招く表現や曖昧な部分はありませんか?
✅ 誤字脱字、文法ミス、フォーマットの乱れはありませんか?
✅ ファイル名・保存場所・バージョン表記は適切ですか?
✅ 関係者への配布方法は決まっていますか?
このチェックをひとつひとつ丁寧に行うことで、安心して提出・共有できます。
PDFテンプレート(文字形式)
以下の内容をPDF化して使えば、印刷・共有もスムーズです。
【会議名】:○○○○会議
【日時】:2025年◯月◯日(◯)◯時〜◯時
【場所】:会議室A / オンライン(Zoom)
【出席者】:◯◯、△△、□□、・・・
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【議題1】:プロジェクト進捗確認
■ 発言者:◯◯
・主な内容:◯月までにA工程を完了予定。
・決定事項:次回ミーティングまでにB案を検討。
・対応者/期限:△△/◯月◯日
【議題2】:新製品の提案
■ 発言者:□□
・主な内容:提案内容とコスト試算について報告。
・決定事項:部内で再度精査し次回持ち越し。
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【次回会議予定】:2025年◯月◯日(◯)10:00〜
このテンプレートをWordで作成→PDFとして保存すれば、誰でもすぐに使える議事録フォーマットになります。

